「おい、依月〜。煮詰めすぎだ〜。合コンでも行こうや」



同僚に誘われて合コンへ行ってみた。こんな性格なもんだから彼女なんていなかった。

もちろん、1回、2回は付き合ったことはあるし、告白だって何度もされている。




「狭間 優希(ハザマ ユウキ)です」




男性5人女性5人の合コンで俺はある人に目を奪われた。女性の中でも一番可愛くておしとやかで…男のほとんどが彼女に狙いを定めていた。


人は顔。

合コンなんてそんなもんだ。



「優希さん、モテるでしょ?」



「いやいや、私は全然。仕事に熱中しすぎて恋愛面では疎くて…」



「え〜?嘘だぁ〜」




背が小さくて髪の毛はゆるふわ。
肌は白く、頬はほんのりピンク。
二重の大きな目にお嬢様のような笑顔。


こんな人間がこの世界にいるのだと、初めて知った。




俺はなかなか彼女に近づけなかった。残りの女性は僕に集まってくるし、男性は彼女に集まっていく。

なんともシュールな合コンだった。



うう、飲みすぎた…。
吐きそう…。