さすが刑事と言うべきか、彼の目は正義を写す鏡みたいだ。その真剣な眼差しは長くは見ていられないほど眩しい。





「いいですよ」





桜のため、柳瀬さんのため…そしてたくさんの人のために俺は手を組もう。





「ありがとう。晃くん」




「その代わりと言ってはなんですけど…刑事さんの話、聞かせていただけませんか?」





近藤さんは水をひとくち飲むと、ああと答えた。




「話そう。俺と俺の大事な人、そして謎の人物との出会いと別れの話を」





透明でいかにも冷たそうなガラスのコップ。その中に入る氷がカリンと鳴った。

それはまるで何もかも知っている真実の水のよう。




何もないのに何もかもがわかっているかのような。

冷たくて透明でそれが真実かのような。