俺はその場を去っていった。

近藤のお兄さんってどんなやつだ?
事件のことを知ってるってことだよな?



「なんなんだよ…。わけわかんねぇ」



俺は次の日、4時半にカフェに向かった。

“背の高くて茶色の若い人だよ”


中を見渡すが、そんな人がいる様子はなかった。


なんだよ、嘘つかれた?





「君が、児嶋 晃くん?」



後ろから声がして俺の背筋に寒気が走った。



「あ、はい…。あ、あなたは…」




後ろを向くとそこには橘 瑠璃と柳瀬さんの現場に行った時に出会った警官がいた。




「ごめんね。少し遅れたんだ。座ろうか」



そうか、警官ならば俺と話したい気持ちもわかる。



「早速なんだが、まずは謝らせてくれ。すまない」



警官は突然、頭を下げてきた。



「え、なんですか急に…」



「僕は○○警察署に働く、近藤 依月という。君の妹の事件や君のクラスメイトの柳瀬さんの事件を担当した」




彼は俺に名刺を渡してきた。信用されるようにか、胸ポケットから少しだけ警察手帳をチラつかせた。