空になった部屋。


泣く陽葵が居て、俺は、陽葵に一歩、また一歩近づいた。 


だけど、不意に肩に置かれた手に鼓動が早くなる。




俺は、こいつの手を知ってる。



空ーーーー




空が、陽葵を抱き締めた。



胸が苦しい、ザワザワした。



だけど、良かった、とも思った。