しかし、いつまでものんべんだらりと生活しているわけにはいかないのだ。
秋には秋の将来設計がある。
みのりには早くに運命の相手でも見つけて、ダメ男にひっかからないようにしてもらわねば。
じっとコーヒーから立ち上る湯気を見つめる。
みのりの交際相手。
秋は知り合いは多いが、家庭を持っていたり、交際相手がいたりで丁度いい相手が思い浮かばない。
そうやって悩んでいるうちに一週間が過ぎてしまったのである。
「あ、そういえば設楽さん。今週末、予定あるんですよね」
みのりが写真集から顔を上げ話しかけてきた。
思わず、秋の眉間にシワがよる。
そうだった。思い出した。
「兄の結婚式だ」
不機嫌な声が出た。
おめでたいですね、と言いながらみのりは不思議に思う。
おめでたいことなのに、ぶすくれた顔をする秋。
ブラコンなのかな?と思った。


