「あの、人生、楽しいですか?」
「はぁ!?」
ギロリと睨まれた。
いけない。
またやってしまった。
「君さ、デリカシーないってよく言われるだろ?」
「は、はい。空気が読めないともよく」
「あとなんかぼーっとしてるし、話し方おっとりだし」
どうにかしなよ、と吐き捨てられる。
マオちゃんよりもグサグサくる言葉で責めてくるなぁ。
彼、もう少し女性に優しくできないのだろうか。
みのりはバーテンにナッツを頼みながら言い訳を口にする。
「いえ、あの、なんか人生二回目って空気を醸してたので」
「は?俺が?なにそれ」
「落ち着いてるし、達観してる感じがしたんですよ」
ナッツがすぐに出てきた。
隣の彼はみのりの了承もなしにナッツをつまみ始める。
勝手な人である。


