講堂は体育館と同じような作りの扉だけど
中はしっかりとした劇場のような場所だった。

小野くんによると、これも演劇部のために作られたらしい。


大きな扉の前には女の子達がわんさか集まっていた。
3年生も2年生も授業が終わる時間は同じだから、部活に来る所を狙っている、ファンの子達だった。



私はあの子達とは違う。
ファンなんかじゃない。
私はちゃんと一目惚れして、恋してるんだとファンの子達を見ながら思った。


「菜美さん!こっち!」

小野くんに呼ばれあとをついて行く。
ファンの子達の後ろをこっそり通るように歩くと
大きな扉の先にもうひとつ扉があることに気づいた。

小野くんは鍵を開けて、手招きしてくれた。