夏の夜。
そして、木々がたくさんある一本道を降りたところにコンビニがある。


昨日の人はいるかな…

会いたいなぁ…



「はぁ…」

「菜美さん、どうしたんです?」

小野くんと中村先輩になら話してもいいよね。

私は4月の桜吹雪の話をした。
2人ともの黙って、聞いてくれた。


「おかしいよね///

一瞬だけしか会ってない人をずっと想ってるなんて…

でも、どーしても忘れられないんだ…
これが一目惚れなんだよね…」

「別におかしくないと思うよ。
俺は恋とか分からないけど…」

「そ、そーですよ!!
まったく!!

その人がう、羨ましいなぁ…」

隣を歩く小野くんを見ながら
あなたも好きなんです。

と心の中でおもっていた。


「人ってさ人を忘れる時、最初に声から忘れてくんだ。
その後が顔、そこからどんどん足にかけて忘れていく。

小川さんはその人の声聞いてないみたいだけど

顔は忘れられないんだろ?

なら、自分にとってすごく大切なんじゃね?」


私も、小野くんも目が点になった。

中村先輩がめっちゃいいこと言ってる…
とても、以外だった。


「あ、ありがとうございます!
薫さんがいればいいツッコミ出来たのになぁ笑」

「え、なんで?
あいつ?!

薫はほら、別にいいだろう…」


ん??

なんかおかしい中村先輩を見つめていると
小野くんがため息ついた。

「はぁ…
先輩、バレバレです。

菜美さんならいいでしょ?」

「…っち。仕方ねぇ…」


え?え?
なになに?なんの会話?!

私は頭にハテナがたくさん出てきた。


「実はですね

中村先輩は学園の王子様なんて言われてますが
1年生の頃から姉さんが好きなんです。」



ーーーーはぁ?!



「な、中村先輩?…」

先輩の顔を見ると、真っ赤になっていた。


「本当に?…」

「姉さん、気付かないから困ったものですよね…」


「小川さん、内緒でよろしく。」


私は大きく、そして深く頷いた。


薫さんのことが好きと聞いて
別に嫉妬も何も出てこなかった。


単純に先輩が可愛くて、みんなが知らない秘密を知ってしまい
距離が縮まった気がした。