シャワールームは誰もいなかった。

「あれ?やだ!私洗顔料忘れてる!!」

洗顔料がないことに気づき、近くのコンビニまで向かった。



あー、ちょっと怖いなぁ…

ロッジ周辺は街灯があっても、周りは木々が多いので虫の声が凄かった。

肝試しなんてやられたら無理だわ…



コンビニに着いて、洗顔料を探していた。

ふと、コンビニの外を見た。


ーーえ?…



中村先輩に会った時と同じ…
いや、それ以上の衝動…



忘れていた。
桜吹雪の先にいた…


あの人…


間違いないと思い、急いでお会計して
外に出た。




けど、もう既にいなかった。



胸に手を当てると
ドキドキしていた。

鼓動が早くて、苦しくて…




「もう一度、あなたに会いたい…」

私はコンビニの前で崩れ落ち
泣いてしまった。



ずっと、初恋の人は中村先輩だと思ってたけど
違う。


やっぱり、私は中村先輩に恋してない。

桜の木の下の…


桜吹雪のあの人に…




「…

お願い、もう一度…

あの人に会いたい…」

私は涙が止まらなかった。