講堂につき、挨拶が終わったあと
私たち3人は作業部屋へ向かおうとした。

役者さんは発声練習を多めにやることになった。


これから狭い部屋でずっと道流が一緒と考えると辛かった。


「ねぇ、君!」
中村先輩が道流に声をかけた。

「なんですかぁ?」
不機嫌そうに言いながらも
中村先輩がイケメンだと気づくとキャピキャピし始めた。

「あ、あ、あのどうしました?」

動揺しすぎ…
私も最初こんなんだっけ?と思い出していた。

それよりも、中村先輩が何だか怒ってる様に見える事が気になった。



「どこ行こうとしてる?」

「え、えっと、作業部屋でしたっけ?
従兄弟の翼が終わるまで待ってます!」

「悪いんだけど、そこには部員以外入らないで欲しい。もう文化祭から大詰めなんだ。

待つのは構わないが、待つ場所は講堂以外にしてくれ。」


道流は怯え、不機嫌になり
講堂の外へと出て行った。



道流がいなくなり、安心した。
よかったぁ…

心の底からほっとした。




「小野!!ちょっとっ、来い!」
中村先輩は眉間にシワを寄せて、小野くんを近くまで呼んだ。

すごい剣幕で話していた。

最後に背中を叩かれ小野くんは転びそうになりながら、私の方へ戻ってきた。



「すみません、お待たせしました!!
作業をはじめましょう!」



すごく、すごく、すごく
嬉しかった。