あれ以来、小野くんと授業中、よく喋るようになった。小野くんは私の話をたくさん聞いてくれる。


「小野くん、教科書にマーカーひかないの?
引いた方が結構、覚えられると思うよ!」

「菜美さんが言うなら…菜美さん、頭いいですよね」

「まぁ、将来は医者になりたいからね!」

「菜美さん…」

小野くんは少し溜めて、恥ずかしそうに
「…かっこいいです。」
そう言ってくれた。


「ありがとう。
あ!次教室、移動しなきゃだよね。めんどくさいなぁ」



チャイムがなり、私は重い腰をあげて上の階の教室まで移動した。