昨日の入口から講堂へ入った。
やっぱり、毎日のように女の子達がわんさかしている。


ステージには何人か集まっていた。


「あ、昨日の子だ!!」

そう指指し女の子がステージから降りてこっちに向かってきた。

「菜美ちゃんだよね?!
よろしく!

演劇部 副部長の小野 薫です
よろしくね!」


小野…?


疑問に思い小野くんの方を見た。

「あ、えっと…
僕の姉なんです…」

え?!


大人しい小野くんと比べて
とても元気でかっこいいお姉さんだった。

全然似てなくて私は驚いた。


「似てないでしょー?

弟はね小さい頃から私のあとばっかりなんだよ!
甘やかしすぎたのかな?」

薫さんは笑いながら話してくれた。
小野くんは薫さんにやめるように何度も言っていた。

「姉さん、あんまり菜美さんに変なこと喋らないでよ!!
僕は役者の方とおはなししてくるから!」

そう言い私は薫さんと二人っきりなった。



あんな、相手に強く物言いする小野くんにキョトンとしていた。


「菜美さんか…」





薫さんが微かにそう言った気がした。




「菜美ちゃん、演劇部について説明しながら色々案内してあげる!

どーせっ!
中村はまだ女の子たちの接待で来ないからねー」


中村先輩になにか言えるのは
薫さんだけかもしれないと思った。

「よろしくお願いします!」


薫さんは説明しながら案内してくれた。