私はかえりのHRが終わっても脚本の内容の壮大さに感動していた。
クラスのみんなが帰っていく
中私だけイスに座って動かないまま…
「菜美さん、部活行きませんか?」
小野くんが声をかけてくれた。
「あ、う、うんそーだね
ありがとう」
今ここにいないような返事をしてしまった。
「どうかしました?…」
小野くんが心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「大丈夫!演劇の内容がすごくて1日ずっと感動しちゃった!!
すごいよ!小野くん!!」
小野くんは恥ずかしそうに
ありがとうございますと持っているバッグを胸の前でぎゅっと握りしめていた。
可愛らしさにニヤニヤしてしまった。
「よし、部活行こうか!」
「はい!菜美さん、
今日からよろしくお願いします!」
私と小野くんは二人で講堂へ向かった。