ずっと、中村先輩を見ていても、きっと先輩は私なんか眼中に無い。
むしろ、あの子達と一緒なんだと思って、複雑な気持ちになった。

「…あ、ぼ、僕、前の席で作業しているので何かあれば声掛けてください!」

小野くんは立ち上がり、続けた。

「あと…
菜美さんは、あの人たちとは違く見えていますよ!
す、す、少なくとも僕には!」


あ、私きっと顔に出てたんだなぁ…
それで気遣ってくれたんだ。
やっぱり、小野くんは優しいな…


また、それだけで心が楽になった。

「ありがとう、小野くん優しいね。
その方がきっとモテるよ」


私が座っていて、小野くんが立っているせいか少し逞しく見えた。


小野くんは照れながら前の席に移動した。