ゆっくりした後は、僕の部屋に移動する。
箱からピックを取り出し、久しぶりに弾いた。


君のために過去も捨て去ろう
傾いた天秤で枷も潰せ


頭の中で歌詞が流れる。メレンダには伝えられないが。
歌もないのにメレンダは真剣に聴いてくれた。


「かっこよかった!」


「ありがとう……」


僕の目を見てほめてくれたから照れてしまう。
目をそらし、片付けに入ろうとする。


正直、楽しかったな。
心の奥底ではまた弾けることを期待していた。