金曜日、この五時間が終われば休日だ。しかも土曜日はメレンダが家にくる。
微妙なギターはともかく、メレンダが家に来てくれるのは嬉しい。


服はあの一番新しいやつにしよう。
部屋の片付けは終わったから、後は汚さないよう気を付けるだけだ。


使ったものを放置する癖があるから、掃除してもすぐに散らかしてしまうのだ。


「フィウメ、おはよう」


メレンダはモコモコのマフラーをつけていた。


「おはよう」


「今日寒いよねー。今日は雪も降るらしいね」


僕は傘置き場に目をやった。置き傘があってよかった。
メレンダの肩は少し濡れていた。雪が溶けたのだろう。


「メレンダ、服がちょっと濡れてるけど……」


「あー、平気平気。すぐ乾くわ」


ジャケットの裾をパタパタさせた後、気にせず椅子に座った。