暖房が効いた教室でパソコンを使う。
学校のパソコンはノートパソコンではない。もちろん自由に検索も出来ない。


ここは商業高校だ。小学校や中学校とはまた違う授業を受ける。


ホワイトボードに書かれたことを写す。折れた芯や消しゴムのカスは故障の原因になるので、シャーペン、鉛筆、消しゴムは使用禁止。
だからボールペンと修正テープを使う。


ジジジと押し付けるように引っ張ると、中で巻かれているテープが動く。
入学当初は上手く使えなかった。中学までは修正ペン派だったのだ。


しかし、臭いが気になる、乾くまで待たなければいけない、そして、他の子はテープを使っている等の理由で変えたのだ。


パソコンを起動し、パスワードを打ち込む。
タイピングでも不器用な人は悲鳴をあげていた。メレンダも苦手だったな。


僕は指を動かすのが楽しかったから、早く覚えられた。
今は嫌なことを思い出すから、あまり楽しくないな。


ただ文字を打ち込むだけの作業だ。言われた通りのものが表示されればOK。


僕が終わった頃もまだキーボードの音は聞こえてくる。