【短編】マイ・ファニー・バレンタイン・デイ

「俺はね、補欠合格だったからボヤいてたんだよ、そしたらお前がさ、」

「思い出した!公立の滑り止めだから上位の人けっこうそっち行くよって」

「そうそう!きっと大丈夫だよって言ってくれたのが嬉しくってさ。好みだったし」

……そっか、正直見た目は凄い好みとかってわけじゃなかったから、
顔とか憶えてなかった。

「そ、だったんだ。どうしよう、すごい嬉しい」

「俺も」

「でもチョコはさ、胃袋もわかるんだけど、あたし二宮君に食べてほしいよ」

そうそう、大事なことだよね、いくら二宮君の体でも、味覚とかはあたしなんだもん。

「……わかった」