偽りの愛言葉

「行かせねぇよ。」

「…どうして?風神さんが、そこまで反対するんですか…」

「行ったって何も良い事無いの知ってからだよ。」

「そんなの…分かんないじゃないですか!」


初めて怒った君を見た気がした。


そんなに否定すること無いじゃん…。


最低な元彼のことが、そこまで好きなのかよ。


君の瞳の奥に俺は映らない?


俺だって……辛いし。


「あ…すいません…もうこれ以上迷惑かけられないので帰りますね。」

「え、待てって!」


鞄とコートを手に取って、リビングから出ようとした。


でも、その腕を勢いよく俺は引っ張る。


“行かないで”


そう訴えるみたいに。