「わぁ、もうこんな時間!私そろそろ帰らなきゃ…」

「待って。」

「は、い…?」


華奢な手を俺は強く掴んだ。


帰ってしまう前に、伝えることがある。


「指名待ってから。」

「えっ?でも…」

「ん、俺の代わりにレジ払っといて。じゃーな。」


掴んだ手に千円札を置いて、俺は店から出た。


やっぱ、あのうるっとした瞳…


好きだな。


今夜、君は来てくれる?


俺に逢いに。


俺は信じるよ。


君が来てくれることを。


まずは信じてみることから始めるんだ。