偽りの愛言葉

「でも、なんで別れたわけ？」

「彼が浮気してたのを目撃して…」

「ふーん。」

「クラブで綺麗な女性と一緒にお酒を飲んでいました。手を組みながら。」


クラブで浮気か。


綺麗な女と付き合ってんのに、彼氏は手出しすぎだし。


ぜってぇ、見る目無いわ。


其の辺で、ヘラヘラしてるホステスよりも梓ちゃんは美しい。


魅力的な魔性の女だよ。


仮に俺が君の彼氏だったら、浮気なんかしないと思う。


いや、何言ってるんだろ。俺。


「まぁー。よく聞く別れの理由だよね。」

「そう…ですよね。でも…こんな場所に行く意味あるんですか？」

「あるでしょ。ストレスがあったら、誰もが癒しを求めたくなるんだから。」

「私だって癒してあげたいですよっ！？」

「でも君の彼氏は言いづらいんだよ。悩みを。だから君のこと飽きたわけじゃないと思う。」