偽りの愛言葉

“桜樹梓”


ん、、、?



「初めての名前。」


綺麗な女らしい字で、丁寧に書かれている。


ラッキー。


またファンを増やすチャンスじゃん。


いつもよりも口角を上げて、席へ向かった。


「お待たせ……って、え?」

「驚かせちゃいました?空いてるメンバーが貴方しか居なかったので。」


目の前に座ってる相手は、ぼっちだったあの女で、、、。


なんでだ…?


全然、相手にしなかったのに。


俺を指名するとか動揺すぎて…。


きっと今の俺は、いつもみたく演じれてない。


「いやー、驚いた!でも指名してもらえて嬉しいよ。ありがとう。」


こんなんじゃダメだ。


俺らしく堂々と口説いてればいいんだ。


いちいち接客に動揺して、どうする。