偽りの愛言葉

指名が書かれた紙を確認してみる。


今のとこは、俺の指名無しって感じか。


少し休憩しますか。


「ふぅ。」


ライターに火をつけて煙草を一服。


もう、深夜の3時か。


それでも店は客で溢れかえってる。


ありがたいや。


「まだ居るんだ。」


あの女は、ぼっちで何を考えてんだろ。


グラスに入った酒を、ただただ黙って飲むだけ。


…暇じゃないのかよ。


「あ、ハク!ここに居たの?」

「うん。ちょっと休憩してた。」


ワイングラスを持った大ちゃんと目が合った。


「指名されてたよ!早く行きなよ?」

「え、マジ?あぁ、教えてくれてサンキューな。」


早速、指名されたか。


どうせ、いつもの常連だろう。


なんて思いながら紙を見てみた。