ふわんと美味しそうな匂いがして、口の中にツバが溢れた。

お、い、し、そ〜〜〜!!!



食べていい?食べていい?

キラッキラした目でラギアとボルダさんを見れば、うんと頷いてくれた。


私は満面の笑みで口を開けた。

『いっただきまーす!』




パクリ。


『ふむ!?』



パチっと目を瞬いた。




『美味しい!』


小麦の香りが強い、モチッとした白いパン。

シャクシャクと音を立てる葉野菜。

そして何より!炭火で焼いているからだろう、香ばしくってジューシーなお肉!


何これ最高か!


お肉の外側がちょっと焦げてカリッとなっているところもイイ!

美味しい!



思わず無言でパクパクと半分以上食べ終えてしまった。


ハッと気がつけば、生温い視線に晒されていた。

あ、なんかちょっと困った子どもを見守るような生温さを感じる!



うっ・・・がっつき過ぎた、よね?

恥ずかしくなりながらも、すっかり怖くなくなったおじさんを見て、笑う。




「美味しい、たくさん!ありがとう!」

「おう!こっちこそ美味そうに食べてくれてありがとうな!」


ニカッと笑った顔が眩しくて、心が弾んだ。



「ラギアは?食べるする?」


弾んだ心のまま聞けば、ラギアはうんと頷いた。


「食べる」

「お金、もっていますか?」

「エリィにもらった」


ボルダさんが心配そうに聞くと、ラギアがなんでもないように答えた。


さすがエリィさん!

なかったら私が貰った分から出そうと思ってたけど、杞憂だったみたい。