「あ、もしかして涼宮花恋さん?」

「あ、はい。そうです」

これで全員なのね。

「これで全員か」

「へえ、これで全員なのね」

「「「「??!!!」」」」

こどもの声じゃない。まるっきり大人の声が聞こえた。振り返ると、そこにはあの時のメイドさんがいた。

「あ、あの時の・・・・・・」

「お嬢ちゃん。集合場所を教えてくれてありがとう」

にやあっと、不敵に笑うメイドさん。わ、わたし、騙された?

「ふふっ、この魔力じゃあ組織にも堂々と顔が出せるよぉ」

ケラケラ笑うメイドさんは、魔力をたくさん持っているみたい。

「に、逃げないと!」

「ああ、そうだな」

人の多いホールに戻った方が圧倒的に有利になる。

「逃げよ!」

わたしと桜はあっけに取られている二人の手を掴んで走り出した。

「おっと、そうはいかないよ」

メイドさんがブツブツ呟くと、わたしたちはあっという間に火に囲まれた。ドームみたいな。