「うわ・・・・・・」

王宮の中は、人で溢れかえっていた。見る場所全てに人、人、人。

「これはちょっと多い」

お父様も少しだけ顔を歪めていた。

「そうだ。実はNo.2〜4の貴族の方に連絡を入れてある」

「連絡?」

「そうだ。ここの王宮にはいくつもの庭がある。そこの庭のどこかで娘同士だけで落ち合おうと」

「わたしたちだけで?」

「そうだよ。一種の宝探しみたいなものさ」

はは、と笑うお父様。

「王女様の挨拶を見てからだよ。それを終えたら行っておいで」

「うん。わかった」

王女様は来ないのかな?ううん、今日の主役は王女様だし、来るわけないよね。


「えー、今回はお集まりいただき、誠にありがとうございます。司会を務めさせていただきます、立花夏帆(たちばな かほ)と申します。宜しくお願いいたします」

突然、女性の声がマイク越しに聞こえた。前の方のステージに何人かいる。きっと、王族の方だ。

あの女の子が王女様だと思う。綺麗な金髪がここからでも見える。顔立ちもとても綺麗。