***
放課後の図書室は、わたしと先生の特別な時間。
その時だけ、先生はわたしを"速水"とは呼ばず、
「渚」
って呼んでくれる。
大人の男性である彼が、柔らかい口調で名前を呼んでくれる。とても愛おしい。
二十八歳の彼と十八歳のわたし。恋愛なんて有り得なくはない。けど……。
わたしは先生……ゆうちゃんが大事だから、この感情は隠さなきゃダメ。だって、ゆうちゃんにはずっと先生でいて欲しいから。
「ゆうちゃん」
わたしは恋愛感情を持っているけれど、きっとゆうちゃんは違う。
そんな感情一つもない。
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