それまで1度も恋をしたことが無かった私は、もちろん一目惚れの経験なんか無いわけで。
どうすれば良いのかも分からず、何も出来ないまま時は過ぎ、二年生になった。
あ、でも1度勇気を出して声をかけたことがあったっけ。
まあ竜崎くんが覚えてるわけないけどね…
ていうかあんなの覚えていて欲しくない。
二年生のクラス表を見た時の喜びは半端じゃ無かった。
自分の名前を見つけたあとに、適当に目を滑らせると、下の方にあった「竜崎 涼介」という名前。
8クラスもあるこの学校で、まさか同じクラスになれるなんて思いもしてなかった私は、喜びを隠しきれなかった。
それと同時に、緊張もした。
自分の努力次第では、仲良くなれる可能性のある距離。
残念ながら席は離れてしまったけど、奇跡的に同じ委員会に入ることが出来た。
私は本が大好きで、一年生の時から図書委員をやっていた。
それは二年生になっても変わらなくて、図書委員を決める時に即立候補。
まさか竜崎くんが図書委員を希望するなんて思わなかったけど。
嬉しい偶然だった。

