一番の君。



「やっと気がついてくれた!」
「えっと、ごめん。」


全然気が付かなかった。
見れば、前の席の女子が
先生の話をそっちのけでこちらを向いていた。


教卓の正面で……恐るべし。



でも、見た目は全然真面目で。

このクラスで一番、
校則を守っている子かもしれない。


ショートの黒髪に少しふくよかな体つき。

おっとりとした柔らかい印象の女の子。


優しそうなかわいい系のタイプ。


こんな子、この学校に似合わないな。


……私も含め。