「風花も少し日焼けしたな」


「うん。城ほどじゃないけどね」


クラスメートたちと戯れている城を指差して、風花は言った。


「風花は……」


「なに?」


小首を傾げて聞いてくる風花に俺は言いかけた言葉を飲みこんだ。


『城みたいに日焼けしたのが好きなのか?』


そんな事を聞けば、俺の気持ちがバレてしまう。


それに……風花の気持ちはきっと城に向かっている。


さっきも、俺と会話をしながらも城の様子をしっかり見ていたし。


頭では理解していて、それを受け入れたうえで親友だと思っている。


でも心は正直なようで、城への嫉妬心と少しの痛みが走ったのがわかった。


そりゃそうだ。


今でもこんなに風花の事が好きなんだから。


傷付いて当然だ。


でも俺は親友から好きな子を奪うような趣味はない。


2人が両想いならなおさら俺の出る幕なんてない。