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家に帰ってからも俺はなかなか眠れずにいた。


見た光景があまりにも衝撃的すぎて、とてもじゃないけれど安心して眠ることなんてできなかった。


小さな女の子が人の首をチェンソーで切り落とす。


しかしその姿はカメラには映っていない。


俺と城が同時に同じ幻覚をみていたんだろうか?


一瞬そんな事を思ったけれど、そんな都合のいい話あるわけがない。


間違いなく、あの女の子はあの場にいた。


もしかして、隣街で事件もあの女の子が引き起こしたんだじゃないだろうか?


だとすれば犯人が捕まらないのは当たり前だ。


だって、あの子はカメラに映らないのだから。


「亡霊……」


俺はそう呟き、強く首を振った。


女の子の亡霊だなんて、それこそあり得ない。


亡霊なら呪い殺せばいいだけで、チェンソーを使う理由がない。


それに、あんなに小さな子が高校生を狙う理由もわからない。