城の言う通り、もう少し黒い方が男としてカッコイイんじゃないかと思うのだけれど、焼けないんだからどうしようもない。


無理をして肌が荒れてしまっては元も子もないし。


2人で夏休み中の思い出話しをしながら教室へ入ると、クラスメートの半分ほどが登校してきていた。


「城、お前真っ黒だな!」


「ヤキトリ並みじゃねぇか!」


仲の良いクラスメートたちにさっそくいじられている。


俺はそんな様子を見ながら、1人の女子生徒に近づいた。


「おはよう風花(フウカ)」


「おはよう良真」


ショートカットで大きな目をした風花が笑顔で答える。


朝からこの笑顔を拝めるだけで一日頑張れる気がする。


親友の坂上風花(サカガミ フウカ)、夏休み中に一緒に海に行った1人だ。


そして俺の好きな子であり、城が思いを寄せている子でもある。