あの時に気丈にふるまって俺と先輩を助けてくれたのなんて、嘘みたいだ。


「おばあちゃん! 俺だよ! 良真だよ!!」


おばあちゃんの耳元で呼びかける。


するとほんの少しだけおばあちゃんの目が開いたのだ。


ハッとして顔を上げると、心拍が戻ってきているのがわかった。


「おばあちゃん!!」


「良真……」


おばあちゃんのかすれた声が聞こえてくる。


「安心しなさい。すべては終わったから」


そう言いニッコリとほほ笑んだおばあちゃんは、再び目を閉じたのだった……。