「なんでだよ……」


走っても走っても女の子は引き離されることなくついてくるのだ。


普通じゃ考えられないスピードが出ている。


「どうなってんだよ!」


俺は思わず叫んでいた。


道は舗装されたものにかわり、目の前に建物が見える。


あと少し、あと少しなのに……。


一緒に走っていた城が足を止めたんだ。


「なにしてる!!」


怒鳴り声を上げて振り返る。


その瞬間、俺の足も止まってしまった。


目の前にあったのは、城の首か下だけだったのだ。


城の体は数歩前へ前へと進み、そして俺の目の前で崩れ落ちた。


首から流れ出た血が飛び散り、俺の頬を濡らす。


そして体の後ろに城の頭が転がっているのが見えたんだ。


城は目をキョロキョロと動かして、自分自身に何が起こったのか戸惑っている表情を浮かべている。