今年5歳になった少女は白地に赤い花柄のシャツを着て、大きな人形を持っていた。


「お兄ちゃんおかえりなさい」


舌足らずでそう言われ、思わず表情はほころぶ。


子供は嫌いじゃない。


「ただいま帰りました」


笑顔でそう言うと、少女は母親の方へと走って行った。


花柄のシャツが血に見えるなんて、さっきコンビニで聞いた話を気にしすぎてるな。


俺は思い軽く頭を振った。


少し昼寝でもすればスッキリするだろう。


そう思い、玄関のドアを開けたのだった。