俺と城は申し訳ない気分で2人の中へ入って行く。


風花の時間を邪魔してしまった感じだ。


城もそれを気にしたのか、今日はいつも以上にテンションを上げ、バカバカしい話を繰り広げた。


そのおかげで会話と笑いが途切れることはなく、分かれ道でカナちゃんも満足そうに帰って行った。


「あれ? 2人とも家あっちでしょう?」


風花がカナちゃんが帰って行った道を指さしてそう言った。


「そうなんだけど、今日はちょっと風花の家にお邪魔しようと思って」


極力明るい口調でそう言う。


心配だから。


なんて言うと、風花への不安をあおってしまうだろう。


「あたしの家?」


風花はキョトンとして俺を見る。


「そう。たまには遊ぼうぜ」


「それはまぁいいけれど……」


風花はチラッと城を見た。


城は、カナちゃんが1人いなくなったおかげで、さっきまでの勢いをなくし緊張している様子だ。


また風花を意識しすぎているのだ。