「次はあたしの番かもしれない……」


ついっさき古家先輩から聞いた言葉とリンクする。


2人の声が頭の中にこだましているのがわかった。


「どういう意味だ……?」


「先輩が立て続けに亡くなっちゃったから……」


震える声でそう言う風花。


「ちょ、ちょっと待って」


俺は風花の体をそっと引き離した。


とても冗談で怖がっているようには見えない。


でも、風花と亡くなった先輩との接点は何もないはずだ。


それなのに、なんでそこまで怖がる理由があるのかわからなかった。


「なんで自分の番だと思うんだ?」


「最近ね、頭の中で声が聞こえてくるの」


「声……?」


俺は眉を寄せてそう聞く。


風花の頬に涙が伝った。


「そう。『椿のように散って死ね』って……」


強い風が、俺たちの間に吹き抜けていった……。