弱弱しい声が部屋に響く。


ばあちゃんに目には涙が浮かんでいて、俺はとまどった。


本当に一体どうしちまったんだよ。


「そ、そうだばあちゃん。今日は俺の友達が一緒なんだ」


そう言い、俺は城に近くに来るように促した。


暴れているばあちゃんを見て入口から一歩も中へ入ってきていなかった城が、おずおずと近づいてきた。


「城って言うんだ。高校のクラスメートで、体は大きいけど気が小さくってさぁ……」


面白おかしく城の事を紹介していたが、城を見るなりばあちゃんの目が大きく見開かれていった。


そして次の瞬間。


「ああああぁぁぁぁぁぁ!!!」


ばあちゃんの悲鳴がこだましていた。


鼓膜をつんざくような大声に咄嗟に両耳を塞ぐ。


ばあちゃんは真っ直ぐ城を指さしている。


「城……出よう!」


俺は城の手を引いて部屋を出た。


バタバタと逃げるように施設を出ても、ばあちゃんの悲鳴はいつまでも部屋から聞こえてきていたのだった……。