「テメェは鈍感だな。心配してるんだっつーの」



西条はまだニヤニヤしている。

澪和は御影に掴まれたままの腕を見て、少し察した。



「でも、大丈夫です。城津先輩は変なことしない人って信じてますから!」



ほんわかとした笑顔で。



「行ってきます」



澪和は御影の手の力が緩んだその瞬間を図り、部室を出ていった。


残された御影たち。



「あーあ、しーらね」



いつもなら一番に焦るであろう西条がチラリと御影を横目で見ながらボソッと呟いた。