なにやら問題を抱えているかのように、しきりに頬をかいたり、髪の毛をクシャクシャやったり、腕を組んでみたり…
落ち着かない様子だった。


気になった澪和は、



「あの…、何か不都合が…?」



御影の父に問う。

すると、ハッと我に返ったような表情をして、



「い、いや、何でもない。…もう学校に向かわないといけない時間ではないか?誠の事は任せて、行ってらっしゃい」



腕時計で時間を確認してから澪和に声を掛けた。


澪和は、そうだった!と言って、手元にあったカバンを取って、急いで御影の病室を出ようとした。



「誠のそばにいてくれてありがとう」


「…っ!いえ。失礼します!」



病室を出る間際、御影の父からの感謝の言葉を受け、澪和は足早に病院を去っていった。