すると、主治医の顔は澪和の名前を聞いて、顔を歪めた。


途端に不安になる澪和。

そんな澪和に主治医は、



「…私は誠の父親だ。海空さんの話は聞いている」


「……っ!!!」



目を逸らしながら言った。





御影先輩、私の話なんてするんだーーー?
それか、お姉様がーーー?





不思議に思っていると、



「…誠と交際をしているとか」



少し悩ましげな表情をしながら、御影の父は呟いた。

澪和はコクリと頷いて、



「もっ、申し遅れてごめんなさい!」



勢いよく頭を下げた。


御影の父は、ふぅ、と小さくため息をついて、



「……いや、そんな事はいいんだが…」


「…?」