急に澪和の腕を御影が掴んできた。

固まる澪和。



「…せ、せんぱ」


「まだ帰るな」


「え」



御影の目は透き通っている。

とても綺麗な漆黒の瞳ーーー



「…1人は……心細いんだ」


「……っ!!」



そう言う御影の顔は、赤かった。

澪和はストン、と椅子に腰を下ろし、



「…分かりました。そばにいます」



御影に向かって微笑んだ。













その日の澪和は夜までずっと、御影の隣で見守っていたのであった。