心が空っぽなまま澪和は帰宅した。


相変わらず両親ともいない寂しい家に。



リビングのテーブルの上にはいつも通り大金と共に、『使ってください』の文字。


いつの間にかお母さんが帰ってきてお金を置いていったようだ。



「…はぁ」



制服を脱いで勢いよくベッドにダイブする。


頭の中は城津の事でいっぱいだった。


急にあんな事をされたからーーー



入部してすぐの頃、『お兄ちゃん』として頼ってほしいと言われた事があった。(1巻参照)


でもこの前の城津はお兄ちゃんというより、『恋人』の立場を欲しているようだった。



モヤモヤして気持ちが悪い。