そうは言われてもーーー





「…でも」



澪和の表情は曇ったままだ。


胸が苦しいのだろうか、御影がギュッと胸元に手をやる。



「…御影くん?」



さすが桐神、気付くのが早い。


その声に反応して澪和も御影の方を見る。


御影は綺麗な顔を少し歪めていたが、



「…大丈夫だ。少し胸が痛くなっただけだ」



桐神と澪和を交互に見ながら答えた。





…本当に大丈夫なのかな?





澪和の不安は一気に大きくなる。