澪和は慌てて城津の方へ駆け寄ると、いかにも体調の悪そうな彼を支えながら家の中へ入った。


彼の身体はあつかった。

きっと熱でもあるんだろう。



「…すまないね、わざわざ来てくれたのかい?」



フーフーと、苦しそうな呼吸をしながら城津は問う。



「はい。早退したと聞いたので。…ていうか、ちゃんとベッドで寝てください!」



家に上がった城津はリビングのソファに寝転んでいた。


心配そうな顔をする澪和を見て、



「ははっ、まるでお母さんだ」



城津は楽しそうに笑った。



「お、おかっ…」


「お見舞いは嬉しいけど、君に熱が移ってしまうのは嫌だなぁ」