バレンタイン当日

男子も女子もそわそわしてる。
もちろん俺も例外ではなく・・・

みあの好きなやつってだれだよ?!

何日か前、ちょこについて相談された。
ほかのやつにあげるものの相談になんて乗りたくなかった。
あの時は当り障りのないことを言ったけど、本心からみあの応援なんてできない。
みあのきもち一番欲しいのは俺なのに。
相手が誰なのか、問いただしたい気分だったけど、あの話を聞いてしまった後じゃ、聞くに聞けなかった。

朝から、みあの様子を見てるけど、ほかのやつらと違って全くそわそわしてない。
なんでだ?もう渡したのか?でも、そんな噂はきかない・・・

「駿くーん」
今日はこれで3回目。
でも、ほかの子の気持ちには答えられない。

帰り際、みあに声をかけられた。
甘いものをやけ食いしたいって・・・やっぱりうまくいかなかったのか?
みあには申し訳ないけど、ちょっとうれしい。俺にもまだチャンスがある。
……………………

 「はいっっ‼‼‼‼」

いきなり出された小さめの袋。

えっ?これは何?
「駿くんが好き。友達としか思ってないってわかってる。でも、伝えたかったの。」
突然のことに、理解がおいつかない。
「駿くんが好き。ずっと前から。」
みあの言葉にだんだんと嬉しさがこみあげてくる。絶対今顔赤い。
顔が見られないようみあをそっと抱きしめた。

「みあ、今の言葉本当?俺、本気にするよ?」
「うん。駿くんが好き。」
「俺もみあが好き。」