昴side


俺は裏切り者に勝手に電話を切られ、めちゃくちゃイライラしていた。


氷連の倉庫の幹部の部屋のテーブルに置いてあった飲み終わった缶ジュースを蹴った。


そんな俺に愛莉が話しかけてくる。



「昴…今の電話の相手…もしかして…」



「…あぁ。アイツだ。」



「今さら昴に何の用なの?」



「…1週間後、アイツがここに来る。」



「…え…?」



「愛莉…、幹部達を呼んでこい。今、下の階で下っ端達に喧嘩を教えてるはずだ。」



「…うん。わかった。」



愛莉は幹部達を呼びに、幹部の部屋を出た。


1人になった俺は、1つ確信したことがある。


それはアイツが…緋莉が刃龍と何らかの関わりがあるということ。


まさかとは思っていたが…。


そう思っていると愛莉が隼人を幹部の部屋に連れてきた。



「昴〜。皆、連れてきたよー!」



「おう、悪いな。お前らも呼び出して悪い。」



「…何かあったんですか?」



隼人が真っ先に声を発した。



「…愛莉も聞いてくれ。…1週間後に刃龍との決戦が決まった。」



愛莉と幹部達は俺の言葉に少し驚いた様子だった。



「今…アイツから電話があってな。1週間後にここに来るらしい。下っ端達も呼んでおいた方がいいとも言っていた。これは警告だと…。」



皆の沈黙が続く中、隼人が声を発する。



「…それで何故、刃龍と決戦になると判断したんですか?」



「アイツに聞いたんだ。刃龍と関わっているのか…。そしたらアイツは同意はしなかったが…否定もしなかったんだ…。多分、アイツは刃龍と繋がっている可能性が高い。刃龍とここへ攻めてくるぞ。」



「…そうですか…。それなら「それなら返り討ちにしよう!!」



隼人の言葉を遮り、愛莉が話し出した。



「それなら返り討ちにしようよ!!そしたら氷連が全国No.1になれるよ!!」



「…あぁ。それを言おうとしてた。俺達は…負けない!!お前ら、下っ端達に言っておけ!!刃龍と決戦だ!!!」



俺の言葉に幹部達は返事をし、幹部の部屋を出て行った。


愛莉からはエールが送られてきた。



俺自身も1週間後の準備を始めたのだった。