「緋莉、皆を呼び出してどうしたんだ?」
「…皆に話があるの!」
皆がザワザワし出す。
「…私は…刃龍を辞めます!」
私の言葉に倉庫内は静まり返る。
とうとう言ってしまった。
もう後戻りは出来ない。
そう思っていると、最初に口を開いたのは刃龍の姫の栞だった。
「…緋莉ちゃん…なんで?」
私が理由を言おうとすると煉が言葉を発する。
「…緋莉。何か考えがあるんだな?」
私は煉の言葉に頷き、理由を話し出した。
「氷連の姫だった私を皆は受け入れてくれて、本当に感謝してる。でも私は刃龍に入る時に決めていたことがあるの。それは…私の族を作ること。私の族を作って、氷連を潰したいの。だから姫じゃなく下っ端になったの。…皆を…喧嘩を教えてくれた煉を裏切るようになっちゃうけど、これは私自身が決めたこと。…皆、ごめん!!」
私は皆に向かって深々と頭を下げた。
しばらくすると突然、煉が笑いだした。
「…ふっ…あはははは!!緋莉!お前はどこまでも面白いやつだな!!」
「…え?」
「いいじゃねぇか!!なぁ、皆!!」
煉の声に倉庫内に居る皆がワーッと歓声を上げる。
私はその光景を見てポカーンとしていた。
「緋莉、お前の考えていることはわかった。刃龍を辞めるのは止めない。だが辞めても俺らはお前の仲間だ。」
私は煉の言葉に目から涙が溢れた。
「緋莉、あとお前と約束をしよう。お前が族を作ったら刃龍と同盟を組む。俺らも氷連を潰したいからな。」
「煉…ありがとう。」
私は涙が止まらなかった。
そんな私を煉はそっと抱き寄せた。
「あ、ちょうどいい機会だ!俺からも皆に伝えることがある!」
煉の言葉に倉庫内がまた静まり返る。
それと同時に煉は真剣な顔で私を見る。
「俺は…緋莉が好きだ。これからもずっと一緒に居たい。…お前はどうだ?」
「…私も…煉が好き…。ずっと一緒に居たい。」
私がそう言うと、また倉庫内はワーッと歓声が上がる。
私から言おうと思ってたのに…煉も同じ気持ちだったんだね。
私と煉が付き合うことになり幹部達からも、下っ端達からも祝福された。
嬉しくて私は煉の方を向き、笑顔を見せた。