部屋には既に幹部達が揃っていた。
「緋莉ちゃーん!!」
毎回、幹部の部屋に入ると栞に抱きつかれる。
「ふふっ、栞…今日も元気だね!」
私と栞の様子を見ていた蒼汰が近づいてきた。
「栞〜!!俺にはー?」
「今は緋莉ちゃんと、ぎゅーしてるの!蒼汰は後でね!」
栞にそう言われ、蒼汰は私と栞を離そうとする。
「緋莉ちゃん、離れて〜!!!」
「もう、蒼汰ー!!」
「ふふっ…あはは!」
私は楽しくて笑いが止まらなかった。
だけど楽しさと一緒に名残惜しさが込み上げてくる。
一生、会えなくなるわけじゃない…。
でも私が言ったことで、皆がどう思うかわからない…。
正直、不安でいっぱいだった。
でも自分で決めたこと。
私は意を決して煉と幹部達を呼び、下っ端達の元へ向かった。