学校に着くと、相変わらず生徒達が私を見ながらヒソヒソしている。


それを無視し、校長室へ向かった。



コンコンッ…



「どうぞ。」



校長先生の合図と共に、私はドアを開ける。


私の姿を見て校長先生は少し驚いている。



「校長先生、今日で学校を辞めます。今までありがとうございました。」



「緋莉…。」



校長先生は実は前、氷蓮の幹部だった人。


まだ私が氷蓮の姫だった頃に知った。


校長先生が氷蓮の幹部だったことを知ってから、氷連のメンバーとよくここに遊びに来ていた。



「校長先生、私…氷蓮を許しませんから。」



「…あぁ。俺のところにも色々、話は来ていたが…。俺は真実を知らないんだ。だが緋莉が嘘をつくとは思えないんだ。お前の妹を悪く言いたくないんだが、あんまり好きにはなれなくてな…。お前の言っていることが本当なんだろ?」



「いいんです。氷連のメンバーは誰も信じてくれませんでしたが…校長先生が信じてくれれば…私は嬉しいです。ありがとうございます。その気持ちだけで十分ですよ。」


私は転校の手続きをし、校長室を出た。